2012年第3回都議会定例会を終えて(談話)

2012年第3回都議会定例会を終えて(談話)

2012年10月4日

都議会生活者ネットワーク・みらい

幹事長 西崎光子

本日、第3回定例会が閉会しました。

都議会は、主要会派からの離脱が相次ぎ、新会派結成などあわただしい動きがありましたが、開会後は、争点となる議案もなく、淡々と終了しました。

 国の地域主権改革一括法に関連した条例新設と一部改正については、地方自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図るため、国から 地方への義務付けや枠付けを見直し、条例制定権を拡大するものであり、都としての主権をどのように発揮するのか問われるところです。今回の条例案は、国の省令で定められた基準が、そのまま都の基準として明文化され、実態を追認するものとなっています。自治体の自由度を拡大するという法の趣旨からは、大都市東京としての課題を解決するべく、独自の見直しを今後も進めていかなくてはなりません。

特に、都営住宅条例改正については、安価な住宅が不足し、生活費の高い東京では、都営住宅が果たす役割は重要です。これまでの入居収入基準や裁量階層が見直されないままでは、ますます入居者が固定化され、コミュニティの再生やソーシャルミックスの実現は困難です。東京独自の入居収入基準を検討する必要があります。

今回2件の議員提案条例が上程されました。知事の発信力に比べ、議会が何をしているのか見えないと言われる中、議員は積極的に都政の課題を取り上げ、必要な対策を有効に実施するために、条例提案はもっと進めるべきものです。議員提案の手法の未熟さや行政側の反発を乗り越えて、より良い条例をつくるため、議論を重ね、修正案を提示するなどして、立法の府である議会の責任を果たしていくことが求められています。

今議会では自転車の問題について多くの質疑が行われ、都は、マナー・モラルの低下に対する規制や取り締まりの強化、ナンバープレート制、デポジット制の導入などを検討し、自転車の「安全利用にかかわる条例」制定を進める方向です。しかし、これまで自動車中心の道路整備をすすめ、歩道や自転車道の整備が後回しになってきたことも大きな問題であり、走行空間や環境の整備などで、さらに自転車利用が促進されるよう、青少年治安本部中心の安全対策に留まらない各局が連携した取り組みを求めました。

また、生活者ネットワーク・みらいは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用した建物の屋根貸し事業などを提案してきましたが、今回、発電事業者募集がいち早く始まったことは大いに評価するものです。屋根貸しに協力する人の募集も含め、事業の本格実施に期待します。

尖閣問題を引き金に日中関係は冷え込み、貿易のみならず民間交流までもが先行き不透明になっており、改めて平和外交が求められます。また、電気料金の値上げに続き、自治体でも保育料や国保料などの値上げが相次いでおり、都民の暮らし向きは一層厳しさが増しています。

生活者ネットワーク・みらいは、今後も、生活者の視点で、震災からの復興や都民の生活を守ることを最優先に、都政の課題に取り組んでまいります。