水余りに逆行するダム建設に反対

群馬県長野原町に建設中の八ッ場ダムは、東京・埼玉・千葉・茨城・群馬への都市用水の供給を主目的に50年前に計画された多目的ダムです。17年前に基本計画が作られましたが、地元の激しい反対運動の結果、工事は大幅に遅れ、いまだダムの本体工事には至っていません。

今回、国は事業費を2110億円から2.2倍の4600億円に引き上げるという基本計画の変更を関係各知事に意見照会しました。石原都知事は他県に先駆け12月都議会に提案。これを承認すると、東京都の負担は事業費ベースで870億円、水源対策特別措置法事業や基金事業、起債の利子を含めれば1300億円となります。

なぜ急ぐ石原都知事
生活者ネットワークは、代表質問・常任委員会質疑で、完成済みのダムで水道水量が充足している現状と照らして、都が拠所としている過大な水需要予測は誤りであること、渇水対策を含めた利水と治水の両面からも八ッ場ダムを建設する必要性はないこと、を指摘しました。
1都5県の合同調査チームは150項目にのぼる疑問や意見を国に提出しました。回答は納得できるものではなく、議会への資料提供も不十分で、議論が尽くされたとはいえません。
生活者ネットワークは都の独自調査を求めましたが、知事はその必要性を答弁しながら、なんら対応を行いませんでした。また、他県に先駆けて容認する緊急性もなく、都民への説明責任の放棄であると言わざるを得ません。

東京の水を使おう
生活者ネットワークは、自然を破壊して遠くから水を持ってくることよりも、都内の水資源を利用すべきと考えます。かねてからか多摩地域での地下水利用をすすめるため、地下水保全条例の提案をしています。
八ッ場ダム計画の即時中止を求め、東京から「脱ダム」の声を大きく広げます。